うつレポ

気分はいつも低空飛行、淡々と生きる

気分はいつも低空飛行

心から楽しい!嬉しい!と思えることがなくなって、気分が低空飛行のまま。ただ淡々と過ごしていること毎日。
感情がないんじゃないか?と思うほど、気分の上下幅が狭くなっていることに気づくことがあります。

このまま一生、淡々とした人生を送るのかな…。
感情が激しく上下する生き方よりも、ラクかもしれません。でも、なんとなく寂しい思いも。
気分がいつも低空飛行って、どういうことかを書いていきます。

感情の上下幅が狭い、淡々とした生活

うつの症状がひどい時期は、気分が落ち込んで、心が石のように固く重くなってました。
やがてその石になった心は、ブラックホールのように気力やら希望やら輝きあるものをどんどん吸い込んでいき、どんよりした混沌の塊になります。

混沌の闇を抜けて、日常生活ならふつうに送れるようになってくると、「もう混沌の闇には戻りたくない!」と強く思いました。
調子がいい状態がだんだん長くキープできるようになっても、プレッシャーや疲れを感じると、また調子が悪くなってしまいます。
警戒心から、強い刺激を受けないよう、淡々とした生活を送るよう気をつけていました。

再発はすごく身近で、飲むのを止めたら、あのどん底状態が口を開けて待ち構えているという不安を消せないから。

うつとともに生きる。これは持病。

うつを繰り返しつつ、かれこれ10年以上クスリは飲み続けています。
うつの再発というより、実はずっとうつが続いていて、調子がいい時と悪い時の波が長いスパンでやってくるのかな、という考えに至りました。

これはもう持病だ。

治ることを目指して、できなくなってしまったことに心を乱されるより、持病!と開き直った方がラクになりました。ならば、うつ状態に落っこちないよう、気をつけて生きていこうと。つまりは、淡々と刺激の少ない生活を送っていくことを望むようになりました。

心から楽しい!嬉しい!と感じたのは、いつが最後だったっけ?
というくらい、気分がピークで上がった状態を忘れています。
落ち込む時はドーンと落ち込むのに、気分が上がる時には、健康な人の平均値よりのちょっと上くらいにあるラインがMAXなんです。低いMAXラインよりも上にいくのは、リミッターがかかっているように抑えられています。

うつの人の低空飛行をイメージしたグラフ

そんな低いところをずーっと飛んでいる感じです。低空飛行のまま、ただひたすら。

感情の激しい上下動があるよりも、安定感はあります。抗うつ剤がちゃんと効いているんだろうな、と思います。
でも人間らしさがちょっと欠けてしまったような寂しさはあります。
あまりにも感情的な熱さが沸いてこないので、自分はロボットか?と思うことさえあります。

平板な感情「アパシー」とうつは区別されている

安定とはいっても低空飛行。でも、楽しさをちゃんと感じられる人生を送りたいというのが本音です。

感情が平坦な症状に、「アパシー」というものがあります。
健康な人なら感情が動かされる物事に対して、興味や喜びがわかない症状のことです。

興味・喜びがなくなるという部分は、アパシーとうつ病はほぼ同じながら、気分の障害(持続する憂うつ、悲しい、落ち込んだ気分など)はアパシーには含まれないことから、うつ病とは区別されています。
アパシーは、意欲的になることもなければ、気分が落ち込むようなこともない。
何事にも関心を示さない、極めてフラットな心理状態のことを言います。

そうなると、気分が低空飛行で安定しているけれど、何事にも興味を示さないというわけではない、自分の症状とは違うんですよね。

アパシーについてはこんな説明もありました。

アパシーとは、青年期に多くみられる無気力・無関心な状態のこと。ギリシア語で「感情の欠如」を意味する言葉、apatheiaが語源。アパシーになった人は仕事や勉強など本来すべきことにはやる気が出ないが、交遊関係や趣味に関しては意欲を発揮するという点で、生活全般に対する無気力・無関心を示すうつ病とは異なる。また、うつ病はしばしば睡眠障害を伴うのに対し、アパシーの場合、昼夜逆転生活になっても睡眠はとることができる。

出典 ナビゲート

なんとなく「非定型うつ病」の一種である「スチューデント・アパシー」の説明に思えるのですが…。
青年期に限らず「無気力」という形で認知症高齢者にもアパシーは見られますし。

あと、アパシーには自責の念がないことと抗うつ剤が効かないんだって。
抗うつ剤が効かないからうつ病ではないってことなのかな。ちょっとモヤっているけど、まぁいいや。

抗うつ剤がやってくれていること

うつ病は、脳内で分泌されている神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン)のバランスが崩れた状態とされています。
抗うつ剤は、脳内の安定ホルモン・セロトニンが減少してしまうのを食い止める働きがあります。(詳しくは▶︎ 冬季うつ対策:光療法LEDライトでセロトニンを安定生成

僕は抗うつ剤を長年服用しています。
脳内で神経伝達物質をうまいこと調整してくれているのがクスリのおかげなら、もう自力での調整はできないんじゃないかと思ったりしています。
それに抗うつ剤でうまいこと調整してくれているのは、不安や緊張を和らげるセロトニンです。
楽しい嬉しいの感情に関与しているドーパミンを、増やしてくれているわけではないんです。

ドーパミンが脳内に増えれば、低空飛行ばかりでなく、パーッと上がりまくる喜びを味わうことができるかもしれません。
あぁ、そんなこと久しく経験していないので、なんだか怖い(笑)
新しいクスリが開発されるまで、このまま低空飛行ながら、飛び続けていることが大切なのかな。

いつもニュートラルでいること

ニュートラル:チェンジシフトレバー

世の中に対して興味を示さないわけではないけれど、低空飛行ながら淡々と安定した日常を過ごす。

ある意味それは「クール」な性格と言えなくもありません。「クール」というと冷たい印象があるので、僕としては「ニュートラル」な性格と呼びたいです。

ニュートラルってわかりますか?
自動車の運転で、低速から高速のどのギアにも入れていない状態。意味としては中立的、中間的というものです。
仏教の世界ではどちらかに偏らない生き方「中道」にあたるかと思います。

自分をすごく正当化している向きはありますが!
落ち込むやすいけど安定している「安定」という部分に着目すれば、それでもいいのかなって。
はしゃげないけど、冷静でいられる。
飲み会では酔って騒いだり潰れるほど飲めないけど、終電の心配をしたり介抱するのが自分の務め。
会計係をしてあげてもいいよ、ってくらいの冷静さ。

さらに僕はHSPの傾向があるので、怒りを感じてもそれを表に出せない、怒れない人です。
もしかしたら、僧侶になればよかったかも(笑)

いやいや、それはうつになった結果の話であって、うつにならなかったら、もっと上を目指してガツガツ仕事をこなし、社会的な成功を狙っていたかもしれません。
またはもっとロッケンロールな生き方を求めていたかも。

そんな妄想を抱きつつも、今は、平和で穏やかな日々を願うばかりです。それが本心。
ならば今の状態でも、まぁいいかって、思ってしまったというのがオチでございます。
ドーパミン調整効果のある新薬、早く試してみたいなーという妄想を抱きつつ…。

ABOUT ME
二ゴ
うつ病になったのは10年前。それから復職、再発の休職を繰り返し、気づけばもう50代。元の自分に戻るのではなく、別の新しい自分にならなきゃともがいて生きてる最中。同じようにシンドイ思いをして生きてる人にむけて、情報共有できればとこのサイトを始めました。あなたは一人じゃないよ♪