「〜しなさい」テストの問題文って、どうしてこんな命令口調なのでしょう。
しかも高校からは、「〜を答えよ」「〜せよ」なんて口調になる。
日常生活で、そんな言い方聞いたことないですよね。
おバカかもですが、今回はテスト問題の語尾について考えてみました。
問題文が命令口調なのは、半人前だから?
たしか小学校低学年の時は「〜しましょう」という語尾だったと思います。
中学では「〜しなさい」、高校では「〜せよ」。
問題文がどんどん偉そうになっていきます。
大人になるということは、そういう厳しさをもって問題に取り組まなくてはいけないのか。
子供扱いではなくなっていくことに、そういうものだ、と思いこんで成長していった気がします。
逆に、自分はまだ半人前の子供なので、大人からこのような言い方をされるのは、仕方がないことだと納得していた節もありました。
学校を出て社会に出ると、そんな一方的な指示の仕方は、表立っては行われません。
上下関係や利害関係のある間で、「ごちゃごちゃ言わずに、言われた通りやれよ!」という、立場が有利なほうが相手を支配/コントロールする時に出てくる口調となります。
たいていは、「お忙しいところ恐縮ですが、なる早で対処くださいますようお願いいたします」なんて回りくどい言い方になったりします。
ビジネス上の言い回しは、それはそれで不思議なものがあるのですが、今回は問題文についてがテーマなので、置いておきます。
学校にいる間は、そういうもの、として慣れてしまっている問題文の命令口調ですが、社会に出てから資格でも取ろうと問題集を開いてみると、問題文独特の命令口調に再開し、懐かしさと違和感を味わいます。
半人前の子供だから仕方がない、という納得感は、まだ専門知識が足りない未熟者だから、という立場にシフトしていきます。
問題文が命令口調なのは、簡潔な文章のため
問題文の語尾が命令口調なのは、余計な装飾を排した簡潔な文章にする目的からだそうです。
時間内に問題を解いていかねばならないので、なにを求められているかをすばやく理解することは必要です。
問題文は、解答の方向性を示す指示であって、アンケートのように回答をお願いしているわけではないのです。
そこで思うのは、社会人になってからよく目にする、Webの入力フォームにあるテキストです。
「支払い方法を選択してください」「ここから都道府県をお選びください」
英語だと「Please」がつく表現になっています。これは、Webサイトの運営からユーザーへのお願いという体裁で、依頼文なんですね。
でも実際の英語サイトで目にするのは「Select payment method」「Select state」など実にシンプル。
やはり、シンプルに何をすべきか明確にすることが求められているんですね。
では、簡潔な表現の指示文として「〜せよ」は適切な表現なのでしょうか。
現実の世界では、なぜそこまで見下されなければいけないんだ!ってカチンとくる人もいるでしょう。
「する」の命令形は「しろ/せよ」、「答える」の命令形は「答えろ/答えよ」。
語尾が「よ」でなく「ろ」だったなら、すごく命令されている感じがします。「ろ」は日常でも使われる言い方ですが、「よ」は日常から切り離され問題文くらいでしか見ないから、命令されている感が薄いのかもしれません。といいますか、問題文用語として習慣化してますね。
大学入試センターの数学の問題文では「〜を求めよう」「〜を考える」という語尾が採用されています。
命令でなく、解答者の意欲に働きかける言い方になっているんですね。
ちなみに数学以外の国語、世界史、日本史などは、「〜答えよ」「選べ」になっています。
社会で一般化している表現として、ここはひとつ日本語の入力フォームみたいな「〜してください」「〜答えてください」にしてみたらどうでしょうか。
「Please」が入る表現だと、問題を解く緊張感が湧かなくなりますか?
習慣化された業界用語であるなら、数文字増やして一般化しても、そのうち(次々世代くらい?)違和感もなくなるのでは?
丁寧語にしたら、問題作成をした先生方の権威が損なわれますか?