ココロとカラダ

うつの時に響くお説法、YouTube「大愚和尚の一問一答」

YouTube 「大愚和尚の一問一答」に諭されています

2018年冬期、うつ症状が出て弱っている時、YouTubeの「大愚和尚の一問一答」をひたすら観ていました。

お坊さん「大愚和尚(たいぐ おしょう)」が、ユーザーから寄せられたお悩みに対して、仏教・禅の教えを背景に、ご自身の体験やセラピストとしてのスキルをミックスして淡々と教えを語る動画です。
悩みを抱えるユーザーの「問題」をあぶり出し、その「処方箋」を示していきます。

「大愚和尚の一問一答」のうつ病に関する動画

うつ症状まっただなかにいると、高いテンションでしゃべる人ばかりのうえ、過剰な演出で展開するYouTubeや地上波テレビ番組が観られないのです。
疲れてついていけない。興味がわかず面白くない。一言で言うなら「キツイ」

そんな頃、YouTubeで「うつ」と検索して出会った「大愚和尚の一問一答」。
固定カメラで忙しく切り替わらない展開。大愚さんの落ち着いた中音域の声がクリアに聞き取れる録音。オープニングと「処方箋」の区切りにしか入らないBGM。
山奥にある静かなお寺の中で、大愚和尚さんと向き合い、じっくりと教えを拝聴する疑似体験のような動画なのです。
うつで強い刺激を受け付けない状態であっても、スッと入り込める穏やかな佇まいなのでした。

コンテンツは「仕事の悩み」「恋愛・結婚の悩み」「子育て・親子関係の悩み」など広いジャンルにおよび、その中にはうつ病に関する動画があります

大愚和尚の一問一答 YouTubeチャンネルはこちら
*当サイトとは関係がありません。

大愚和尚さんのプロフ

YouTubeでクオリティーのしっかりした情報発信しているお坊さんですから、一筋縄ではないチャレンジ精神のある方なんだろうと思いました。
仏教世界のことだけではなく、世俗のことにも通じている人であろうことは語る内容から伝わります。
メンタルに関する知識も的をはずしていないし、作務衣姿ながら、しっかり体を鍛えていることもわかります。
なにより、声の質によるのかもしれませんが、圧倒的な「安定した気配」を感じるのです。
何者なんだろう?大愚和尚という人は。

プロフィールを見てみましょう。

大愚 元勝(たいぐ げんしょう)
昭和47年8月生まれ。宗教法人福厳寺住職。慈光グループ代表。空手家、セラピスト、社長、作家など複数の顔を持ち「僧にあらず俗にあらず」を体現する異色の僧侶。僧名は大愚(大バカ者=何にもとらわれのない自由な境地に達した者の意)。
公式Webサイトより引用

動画を数本観てイメージした人物像を、裏付けるようなプロフィールでした。
さらに気になった部分としてー

紆余曲折を経て32歳で起業。仏教理念に基づいた、社員、お客、売上げに恵まれるシステムを構築して複数の会社を立ち上げる。

お坊さんって、お寺や幼稚園などの経営者であったり、学校の国語の先生をやってたりするので、決して世俗と切り離された存在ではないのは知っています。
大愚和尚が語る、今の世の中を生きるための知恵に関して、リアルな社会性を感じるのは、事業家としての視点があるからなんですね。

あとセラピストの資格を持っていらっしゃいます。
うつ病をはじめ「生きづらさ」についてのアドバイスで、相談者に寄り添った言葉が出てくるのは、そのバックボーンがあるからなんですね。
精神科や診療内科の専門医が言うこととは、少し異なった方向の話が出てきます。しかし、それも考え方のひとつであると、納得できる内容になっているのです。

控えめに言ってもカッコいいと思います!

仏教の教え+持論展開が興味深い

生きていくうえでぶつかる様々な悩みや、うつ病のような心の病。
これって何も今にはじまったわけではなく、歴史上人間の営みとして何度も繰り返されてきたことことですよね。

だから今悩んでいることって、実は千何百年も前に偉大な人によって、すでに考え尽くされていることなんじゃないかって思うのです。
もちろん科学的に誤った解釈も多々あるでしょうけど、哲学や宗教ってそういう面で興味があるのです。

大愚和尚さんの説法は、仏教や禅の教えでは、こういう言葉があるという紹介から始まることが多いです。私たちにとっては謎の言葉が、取り上げている相談事とどうリンクし、解決策になっていくかの展開が興味深いのです。

その展開していく部分というのは、仏教の教えから離れ、大愚和尚さんの持論となっていきます。
話が広がりすぎて、時にポイントを見えにくくしていることもありますが(笑)、人間くさい話は面白いです。

「うつ病で仕事を頑張れない時の心の在り方」から一部を再録引用してみます。
持論の雰囲気がお分かりいただけると思います。

心と体は密接につながっています。
最初心が病んで体に影響が出てきたにしても、体が病みすぎると心が元気になっていく土壌を失ってしまっている状態なので、体が心配。
体力が落ちて、体の抵抗力が落ちて、睡眠不足になって、体がいつも調子が悪いという状態で、元気になれ!というのは難しいのです。
この場合、優先順位としては、心も大切ですけど、体を優先して体力を回復していかないと。

うつの人に「頑張れ」というのは禁句です。
でも本人が頑張りたいと思うのなら、頑張ればいいと思っています。まわりが「お前頑張れよ」とハッパをかけるという意味ではありません。
自分が「負けたくない」「逃げたくない」という気持ちがあるんだったら、その気持ちに沿って行動してみるとか、なにかアクションを起こせる手伝いを周りがするというのは、悪いことではないと考えています。

自分を守るために頑張ってもいい。仕事自体が嫌ではなく、逃げたくないという気持ちがあるんだったら、その職場でリベンジしたいという気持ちがあるんだったら、やったらいいと思うんです。
ただし、積極的な休息は必要なんです。

私は空手をやっていたので、自分の経験としてわかるのですが、同じくらいの実力の相手にボコボコにやられてしまった場合、相当凹みます。
普段自分が偉そうにしている後輩にやられた時も、そりゃあ凹みます。
凹んでも、体は戦ってボロボロの状態になっている。プライドを奮い立たせてがんばるぞ!というより、体の休息が先なんです。



「大愚和尚の一問一答」動画は、何年にも渡って作られており、本数もかなりの量になっています。幅広い相談内容に、毎回丁寧に答えられているので、どんだけ人生経験豊富なんだ!と勉強させてもらっております。
また多言語字幕の翻訳に協力している人が大勢いることも、このコンテンツがいかに広い支持を受けているかを知ることになります。

時に矛盾したことを言っているように思う場合もあります。
先ほど引用した「うつ病で仕事を頑張れない時の心の在り方」では、頑張りたいと思えば頑張っていいと言い、「うつ病からの復帰 頑張らなくていい、今できる小さなことからやってみる達磨大師の教え」では頑張らなくていい、でも段階的な小さな努力は必要という言い方になっています。

それは個別の相談内容に応じた言葉の使い方の違いであると思います。
部分だけを拾うのではなく、数本の興味ある動画をご覧になって、そのベースにある大愚和尚さんの考え方を受け取ってみるのがいいと思います。
私には、確実に心に届く諭しになっています。

ABOUT ME
二ゴ
うつ病になったのは10年前。それから復職、再発の休職を繰り返し、気づけばもう50代。元の自分に戻るのではなく、別の新しい自分にならなきゃともがいて生きてる最中。同じようにシンドイ思いをして生きてる人にむけて、情報共有できればとこのサイトを始めました。あなたは一人じゃないよ♪