梅雨の時期は、ヤバイよね。
ふだん元気な人だって、体調が悪くなったり、気分がふさいでしまう時期です。
天候に体調が左右されがちな「うつ」の身だとしたら、いつ症状が悪化してしまうか、不安で仕方ありません。
実際、梅雨の時期は、うつが悪化しやすい時期であると言われています。
ヤバイのがわかっているのなら、なにか対策できることはないのでしょうか。
せめて「うつ」でない人でもできる心がけをやってみることで、なんとかやり過ごせたら。
今回は、梅雨が体と心に与える影響と、心がけについて書いていきます。
梅雨に具合が悪くなるワケ
空はいつもどんより曇って、雨が降ったり止んだり。
じめじめ湿気って、気温も高く、じっとり汗が。
洗濯物はなかなか干かず、食中毒には要注意。
梅雨というと、そんなイメージがあります。紫陽花(あじさい)の美しさを楽しむといった風情は忘れがち。
梅雨に体調不良+気分が上がらなくなるのは、次のような原因があります。
- 気圧の変化に体がついていかず、自律神経が乱れる
- 日照時間が少なくなり、脳内物質セロトニンが減少
- 湿度の高さからくる不快さがストレスとなる
それぞれ詳しくみていきましょう。
1、自律神経の乱れ
人は意識していなくても、環境の変化に体が適用できるように、自律神経が体内の循環器・消化器・呼吸器などを24時間うまいことコントロールしています。
自律神経の「交感神経」は、昼間や体を動かしている時、何かに集中している時、そして高気圧(晴れ)の時に活性化します。
「副交感神経」は、夜間や睡眠、リラックスしている時、おいしいものを食べた時、そして低気圧(雨)の時に活性化します。
この2つの神経は、どちらかが活性化していると、もう片方は弱まります。まるでシーソーのように働いているのです。
梅雨の時期、雨が降ったり止んだり、気温が上がったり下がったり、2つの自律神経はいそがしく真逆の調整をします。この自律神経の切り替わりが体に負担をかけます。
さらに、暑いの?寒いの?どっちなんだよ?と自律神経自体が混乱して、疲れ切ってうまく機能しなくなります。
このような自律神経の乱れによって、古傷が痛む、食欲がなくなる、だるい、集中力や思考力が低下するなど、体と心の不調が引き起こされてしまうのです。
気圧と気温の変化によって、体調を崩してしまうことを「気象病」と呼ぶようになりました。
梅雨の時期は危ないのですが、台風の多い夏から秋にかけても要注意。
体調に気をつけてください、と天気予報で言われたって、避けようがないですよね。
体と心はつながっています。体調が悪いと心も沈みやすいです。
自律神経がへたってしまわないよう、できるだけケアしないとですね。
(ケアの方法は最後の方にまとめました)
2、日照時間が少なくなり、脳内物質セロトニンが減少
「冬季うつ」「梅雨うつ」という名前があるくらい、冬と梅雨はうつが悪化しやすい時期です。
ほかに夏や春にもうつがひどくなる人がいて、特定の時期になるうつのことを「季節性うつ」と呼びます。きちんと言うと「季節性情動障害」です。
患者数の多い冬季と梅雨に共通する原因として、「日照時間」の少なさが推測されています。
日照時間が少ないとどうなるのでしょう。
洗濯物が乾きにくい、と即答しちゃいそうになりますが、脳内物質セロトニンの分泌が少なくなるのです。
セロトニンは、睡眠や精神安定にかかわる物質。不足すると、睡眠障害や不安感が強くなるなどネガティブ状態に陥りやすくなります。
不足した状態にはなりたくないセロトニンは、太陽の光を目から浴びることで、増やすことができます。
うつの人に、太陽の光を浴びながらお散歩することがおススメされるのは、脳内でセロトニンの合成を活発化させるためです。体を動かすことでもセロトニンが分泌されやすくなるので、お散歩は一石二鳥です。
うつとセロトニンの関係には否定説もあるのですが、晴れた日にお散歩する習慣づけは、生活リズムを整える点でもいいことですよね。
さらにセロトニンの材料となる必須アミノ酸の1つ「トリプトファン」を、魚、肉、大豆、卵、ナッツを使った食事から摂ることが効果的とされています。
つまり健康的な生活をしましょうよ、ってことですね。
3、湿度の高さからくる不快さがストレスとなる
うつを発症したり悪化させる原因として、真っ先に言われるのがストレスです。
パワハラや人間関係からくるストレスが一番ヤバイのですが、環境の不快さもじわじわくるストレスです。
ストレスをためすぎると、自律神経が乱れます。1)にもどるって感じですね。
暑いと汗をかきます。当然蒸し暑い時も汗をかきます。
汗をかくのは、汗が皮膚表面で蒸発する時、体から熱を奪ってくれるからです。
でも湿度が高いと、汗は蒸発できません。すでに空気中に水蒸気がいっぱいあるからです。汗をかいても体から熱が奪われず、衣服も湿ったままの状態。
不快ですよね。だから梅雨の時期は、天気予報で「不快指数」が伝えられます。
不快指数が高いと、体感温度が上昇します。汗が乾かず、体感として暑さに我慢できなくなってくるのです。
ちなみに不快指数が77を超えると、ほとんどの日本人は不快感を覚えるんだって。
梅雨の時期の目安、気温27度で湿度75%だと、不快指数は77.4925。十分にみなさん不快なはずです。
湿度が高い時期、エアコンで「除湿」モードを利用したくなりますが、電気代のことを考えると「冷房」にした方がいいという話もききます。
電気代の高さでいうと次のような順らしいです。
再熱除湿 > 冷房 > 弱冷房除湿
- 再熱除湿:室内気温を下げずに除湿する
- 冷房:室内の温度を下げる
- 弱冷房除湿:室内気温を下げつつ(冷房しつつ)除湿する
弱冷房除湿を利用するといいみたいです。
湿気っぽさを我慢してイライラするよりは、エアコン利用しましょう!
自律神経のケア
天候は自分ではコントロールできませんので、天候変化による自律神経の乱れは防ぎようがないかもしれません。
でも、ケアをするのとしないのでは、受ける影響が違ってくるはずです。
普段からできる自立神経のケアとしては、次の2つが代表的です。
- できるだけ体を動かす
ジムに通っている人は定期的に行くように心がけましょう。ジムでなくとも、お散歩や室内でのストレッチや筋トレなど、できるだけ体を動かしましょう。 - 規則正しい生活リズムを意識する
生活リズムをできるだけ一定。つまりは決まった時間に寝て起きる睡眠を心がけましょうってことですね。
1日の終わりに、ゆっくりお風呂タイムをとることが大切のようです(うつの人にはこれがハードル高いかもですが)
また決まった時間に食事をとるようにすることも忘れてはいけませんね。
うつを病んでいる人にとっては、そんなの知ってる!心がけてる!ということですよね。
「気象病」の予防として紹介されている耳のマッサージも取り入れたいところ。
- 耳を上下横に5秒ずつ引っ張る
- 耳の横の部分をつまみ、軽く引っ張りながら後ろに向かって5回ゆっくり回す
- 耳の下に親指を当て、上に人差し指を当てて上下に折り曲げる。この状態で5秒キープする
- 耳全体を手で覆い、後ろに向かって円を描くようにゆっくり5回回す
ほかにも、手の指にある爪の生え際を両側からつまんで、ぎゅっと強めに10秒間押していくというカンタン・マッサージもあります。薬指を避けたすべての指の爪を一通りやります。寝る前にするとより効果的といわれています。
あとはできるだけリラックスすること。
雨の日に外出するのは億劫ですが、雨が降る音を室内で耳にするのは癒しにもなります。
リラックスを目的とした自然音を集めたCDにも収録されたりしています。
雨を楽しむような発想の展開をこころがけましょう、と言っている記事を目にしました。
考え方を変える、というのがうつの人によく言われます。
雨を楽しむって、どうしたらいいですかね。気に入った高い傘を買って、使う機会をラッキーに思うとかかな。
ただただ受け身で梅雨を過ごしてしまうと、体調も気分も落ちるだけになってしまいそう。
心構えをしておくことで、少しは立ち向かえるかもと思います。
やるだけやってる、という気持ちがあれば、自信にもつながるでしょうし。
つらい梅雨の時期、なんとかのりきりましょう!