ツイッター(うつ用アカウント)のタイムラインでは、うつや双極性障害に苦しむ女性の「泣く」という言葉をよく目にします。
泣くという行為は、涙によって脳内のストレス物質を体外に排出できることから、大きなリラックス効果を得られることが知られています。
「泣ける動画」を何本も観て、思い切り泣いてストレス解消する集まり「涙活」なるものが流行っていることも知っています。
では、なぜ僕は泣くことができないのだろう?
中年男だから?
「涙活」には中年男性も多く参加していると聞きます。
だったらなんで? 泣けない理由をちょっと調べてみました。
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男は泣くものじゃないと育てられた
赤ちゃんの頃はよく泣いていたそうです。
それがいつしか、「男はなくもんじゃない」という教えが身に染み付いてしまい、泣きたくなっても堪えることが、当たり前になってしまいました。
男って、他者との競争と勝ち負けによって、自分の立ち位置を定めていくようなところがあるんですよ。
「泣く」ことは、負けを認めることだと思い込まされていたのです。
感動的な映画を観たら、泣いたっていいじゃないですか。
悲しいことばかりでなく、うれしいことが感極まったら、泣いていいはずです。
男らしく、女らしくという、ジェンダーによる振る舞いを押し付けられた旧世代の風習は、いまだ社会の中では生き続けています。
だから女性であっても、会社でバリバリ働いている人は、弱みを見せまいと泣けない人がいるようです。
許されているのは、スポーツの世界と結婚式/葬儀の時でしょうか。
戦って、勝った/負けたの結果流す涙であれば、清々しく感動的だと認識されています。
成長した娘からの感謝の手紙に涙する親。肉親の最後の別れに流す涙も「お約束」として許されてますよね。
そんな泣いていい場面であっても、泣くことができない場合、もしかして泣くという機能が退化してしまったのではないか、と不安になります。
自律神経の乱れやうつが原因かも
泣けない人には、2つのタイプがあるそうです。
- 泣きたいのに涙が出てこない人
- そもそも泣きたい気持ちにすらならない人
両者とも育つ過程で、泣きたいのに涙を流すのを我慢してきたことが根底にあるようで。
1)泣きたい感情はあるのに、涙が出ない人の場合は、ストレスによって自律神経が乱れているのが原因らしいです。悲しいのに、脳からは涙を流せという命令が出ない。
ストレスは外部から与えられたものもあるし、自分で自分の感情を押さえ込んでいる場合もあるとか。
ストレスを解消し、自分に素直になるように心がけていれば、泣けるようになってくるといいますが、僕はその程度では泣けるとは思えません。
ここで、うつ病だから、という原因が持ち上がってきます。
感情の起伏に乏しく、落ち込むことはあっても、喜びや悲しみによる強い感情の高まりが起きにくい状況になっている場合があるようなのです。
僕の泣けない理由は、これが近いようです。
2)そもそも泣きたい気持ちにすらならない人の場合は、脳の老化か、うつ病が考えられるそうです。
感情が麻痺していて、物事への興味を失っている状態では、他者への共感ができないし、人間が持っている機能どおりに泣くという行為が働かないというのです。
うつ病でなく、脳が若ければ、泣きたい気持ちは起きるんですね。
でも、待って。
うつが原因というならば、なぜツイッターにいるうつや双極性障害の女性は、泣いているの?
女性の方が生物学的に泣きやすい
女性にはプロラクチンというホルモンが男性より多く持っています。
このホルモンは、涙腺を刺激して涙を誘う働きを持っています。
また脳が男性とは異なって、右脳と左脳を結ぶ脳梁が太く、感情と論理がつながりやすいと言われています。そのことから他者への共感力が強く、映画やドラマで涙を流しやすいと言われています。
生物学的に女性の方が泣きやすいのはわかりました。
うつで感情の起伏が乏しい時であっても、悲しみという強いストレスを高め、泣くことがでそのストレスを解消するという自浄作用が働くのですね。
そういえば僕の場合、うつであっても、悲しいという気持ちはほとんどなく、ただただ無気力感に襲われて、自責の念にとりつかれるというものです。うつと言っても、症状はさまざま。
男性でも悲しい気持ちが強い人は、涙が出るのでしょうね、たぶん。
「涙活」に参加しているのは、女性ばかりでなく男性だって多くいて、中年男性も多いということから、泣くことに男女差がそんなにないのは調べてみてちょっとショックでした。
泣けないのは、幼少から染み付いている「弱さ」につながる行為を認められないことと、うつ症状の中にあることが原因なんですね。
本当は泣いて、ストレスを発散させてみたいのですが。
逆に、すぐ涙が出てきてしまう人というのも、自律神経の乱れによるものらしいです。
自律神経の乱れは、気圧の変化によって体調が悪くなるなど、ロクなことがありません。
自分で自分をコントロールできない自律神経の乱れを自覚したら、医者に相談した方がいいかもしれませんね。