うつと付き合いながら仕事をしていると、体調の不安定さや気力、集中力の低下などで、マトモに働けていないことに自信をなくしてしまうこと、ありませんか?
私はあります。しょっちゅうです。
そうなると、どうなるか。
自分の不甲斐なさに呆れたり、凹んだりして、気がつけばココロの防御力がスカスカ状態になってたりします。
すると、他人からのちょっとした注意や冗談交じりの皮肉などを、真正面から受け取ってしまい、さらに落ち込んでダークサイドに堕ちてしまいます。
他人からは弱ってもがいているように見えるのではないかと思います。
自分を優位に見せたい人がそばにいると、ここぞとばかりキツイ言葉をかけてくることってないですか?なぜか、そういうタイミングを逃さない人がいるんですよねぇ。
そんな時、どう対応するか。
気の利いたリアクションができるほど、エネルギーは残ってません。頭も回りません。
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低いトーンの声で話してみる
弱ってる時こそ、いつもよりハリのある低いトーンの声にして話しましょう。
プレゼンテーショントークのセミナーで、声のトーンを下げてゆっくり話すことは、説得力を持たせる有効なテクニックだと教わりました。
いつもより声が低いという「圧」を相手に伝えるだけで、防御力を少し補強できます。
「圧(あつ)」とは、デザインの仕事で雰囲気に強さやインパクトがある(ありすぎる)時に使われる言葉です。「圧(あつ)が強い」=「押しが強い」という意味になります。
低いといっても、ボリュームを小さくしてはいけません。低く小さい声では、たんに聞きづらくなってしまいます。
テレビ(とくにNHK)を注意深く見ていると、アナウンサーは通常のトークとニュースを伝える時とで、声のトーンを切り替えていることに気がつきます。ニュースの方が少し低いトーンなんですよね。
話すテンポは人によってまちまちですけど、NHKのアナウンサーがニュースを読むときのスピードが、人に言葉を伝えるために訓練された速さです。
その速さは1分300文字で「NHK式」と呼ばれ、話すスピードの目安であるとともに、ニュース原稿を作る際の文字量と時間の目安にもなります。
声のトーンを低くした上で、ポイントとなる単語を少しゆっくり発声すると、より「圧」が高まります。文字で言えば「太字」になってる部分を、少しゆっくりと話すことで表現する感じです。
「〇〇さん、●●社の××さんから電話がありました。」
この場合は〇〇さん、××さんの部分を太字でゆっくり言うと、早口でさらっと伝えるよりも、プレゼンテーショントークのような少しの「圧」を加味できると思います。
うつの人は、凡ミスしやすく、そのことを自分でもわかってる
ふつうならしないような凡ミスをしてしまった、チェックしたのに気がつかなかった、という場合、自分でも十分ふがいなさを感じています。
うつでなくても、集中力が保てない時にはうっかりミスが多発することはありますよね。
うつの場合は、それが症状としてあったりするのです。
それを、こんなミスをするなんてちゃんと確認してないんじゃないか?などと念を押すように言ってくる人がいるものです。
うつ病とはこういうものだという理解がないと、そうなるかもしれません。
ミスを指摘してくれるのはありがたいのですが、一言多い。
そんなこと、自分が一番ありえない!と思っているのに、という怒りが沸き上がりませんか。
もしくはこんなこともできなくなっているのか、と自分を卑下して落ち込んでしまうかもしれません。
「ちゃんと確認してます」なんて返すと「できてないじゃないか」と突っ込まれるのがオチ。
何度も書きますが、うつの時って、以前の自分ではありえないようなミスをしがちです。
だから自分を信じることができなくなっていき、だんだん自己肯定感も低くなっていきます。
まずはうつを回復させていくことが先決です。余計なストレスは排除していきましょう。
まずは自分を許して、冷静になりましょう
ココロの防御力が落ちている時に、ミスをして注意を受けると、必要以上に凹んでしまいます。
そんな時、まず試してもらいたいのは、この記事にも書いた方法。
1人になれる場所で、鏡に映った自分に向かい「自分を許します」となんども呟いてみる。
自己暗示みたいなものです。
自分を甘やかすというより、冷静にするための方法です。
気持ちが冷静であれば、受けた注意に対しても、冷静に受け止められるかもしれません。
受け止められないくらいのダメージがあったら、すぐに何かできるわけではないので、先送りしちゃいましょう。
とりあえず「ご指摘ありがとうございます。気をつけます」程度の短い返事を、低くハリのあるトーンの声で返す程度でいいかと思います。色々言うと、言い訳がましくなってしまうし。
反応はさっと済ませ、あとは作業に集中して、相手を見ないようにします。
自分で自分に怒りを覚えながら、厳しい態度で受け止めているふうに振る舞いましょう。
自分が一番怒りを感じているという姿を見せ、相手に立ち入る隙を与えなくできれば一番いいんですけど。
長々言ってくる人の対応
長々言ってくるような人であれば、「ちょっと話は変わりますが…」と必ず前置きを言ったあと、強引に話題を変えて、話を終わらせる方法があります。
急に黙り込んで立ち去ってしまうと、相手を余計にヒートアップさせてしまうことがあるので避けましょう。
ここでもNHKのアナウンサーが技を見せています。
生放送のインタビューなのに、話が長くてなかなかまとまらない人がいます。そうした場合、話が長いですよ、まとめてくださいとは一切言わず、あえて新しい質問を投げかけて、それに答えさせて切り上げさせるのです。ぎりぎり放送時間内に収まるかどうかって時のまとめ方は、拍手ものです。
話題がヤバイ方向に行ってしまいそうになるのを、方向転換させる時も同じ手法をとるようです。
(「クローズアップ現代+」で観ることができます)
受けるダメージを少しでも小さくするためにも、長くなりそうだったら、さっさとその場を切り上げて、先ほどご紹介した一人になって自分を許す儀式に移りましょう。
気安く触れられないオーラも場合によって必要
アドバイスでよく言われることですが、自分にとって緊張を与えるような存在とは、できるだけ距離をとっておきましょう。
席が隣だと距離とるのは難しいと思いますが、観葉植物が隣にあるように、むりやり思い込んでください。
多少の皮肉や批判を軽く受け止めることができるくらい、自分がしっかりしてくるまでは「見かけのしっかりさ」でしのいでいくのが自分のためにもなると思います。
気安く触れることができないオーラを醸し出し、相手を踏み込ませないように努めてみましょう。
もちろんそのためには、凡ミスしないように、気をつけないといけませんが。
きちんとしたやり方をノートに書き出して、自分用のマニュアルを作っておくといいと思います。
ミスをしやすい部分やチェックが必要な項目を洗い出しておくのです。
そして毎回、そのノートの通りにやれているかを確認しましょう。そのめんどくささが、ミスを防ぐには大切です。
病気が治れば、注意力・集中力も戻ってきて、ミスも少なくなるはずです。
(加齢による衰えは自然なものとして受け入れましょう)
ミスがあって、他人から注意や皮肉を受けても、病気で自信がなくなりココロが無防備状態の時よりは、しっかり受け止められるようにもなれるでしょう。
だから、まずはうつを回復させていけるように、自分を守っていきましょう。